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Obras de 中島 義道

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 文字通りウィーンに暮らすある日本人家族を、一家の主である主人公の目線で描いた本だ。 主人公である川島は、著者である哲学者中島に重なる。 自分は妻を愛することができない、死ぬことが極端に怖い、そうした苦悩を抱きながらも、彼の人間性は真面目そのものである。 物語にはあっと驚くような展開はない。 主人公である川島夫妻と夫川島の両親夫婦のいさかいが重なって、全編に渡り家族の葛藤がひたすら綴られる。 それも、ただただ主人公の語り口が中心となるため、一読しただけではほとんどただの日記、あるいは手記である。
 「異端児」のレッテルを貼られることの多い中島だが、小説は極めて読みやすく、テーマも夫婦という一般的なもので、独創的とは思われない。しかし、ひたむきささえ感じられる夫婦を中心とした飾り気の皆無な文章は、かえって印象深くもある。 自由奔放な妻多喜子と、合理的判断を優先する康司は、客観的に見れば、どこにでもいそうな夫婦だ。 それでも当人たちにとって人生は他人事ではない。 どんな些細でつまらないことも、自分の人生に起こったこととして受け止めている。 だから、滑稽なくらい必死になる。 そこが面白い。
 私はなにか特別なことや、意義のあることをして他人にも認められる人生でなければ生きるに値しないような気がしていた。 しかし、康司は他の誰かが価値を認めようが認めまいが、あくまで「自分の愛」を貫こうとする。 私にはない部分だと思った。
 康司がどれほど自分の人生にのめりこみ、1冊分の思いを語っても、私はうんざりはしなかった。むしろそんな風に自分の人生に熱中できることがうらやましいと思った。
 著者が一般読者に何かを伝えるためにこの本を書いたとは考えにくい。 これはほとんど彼の告白ともとれる本で、読者を感化させる目的で書かれたものではないのだと思う。 それでも康司の必死さと、家族の再生という現代では普遍的ともいえるテーマは無視できない。

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Denunciada
ooerioo | Jan 9, 2010 |

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